妊娠中は鉄分不足になりやすい? 1日の鉄分推奨量と鉄分不足におすすめレシピ
妊娠中は鉄分不足に陥りやすいといわれ、貧血や鉄欠乏を引き起こす方も多くいます。妊娠中に鉄欠乏を引き起こすと母体から鉄を受け取っている胎児にも影響を及ぼす可能性もあります。では、妊娠中どのくらいの鉄分が必要なのでしょうか。
この記事では、妊娠中に必要な1日の鉄分推奨量と鉄分不足の方におすすめのレシピをご紹介します。
妊娠中に鉄分が必要となる時期
ここでは、妊娠中に鉄分が必要な理由と時期について解説します。
鉄分とは
鉄分は、体内に必要な微量ミネラルの1つです。体内に約3~4g含まれていて、そのうちの約70%が血液内の赤血球に必要なヘモグロビンなどを作る成分となります。
血液は、酸素や栄養素を運ぶのにとても重要な成分。不足してしまうことで、頭痛や動悸、無力感、食欲不振など体に大きく影響します。
妊娠中は鉄分不足になりやすい
妊娠中は赤ちゃんと胎盤の成長のために、栄養素を運び出す必要があります。そのときに必要になるのが、血液です。血液が栄養素を運ぶため、妊娠していないときに比べて体内の血液が多くなります。
そして、血液を作り出すためには鉄分が必要です。しかし、体内の血液は増えても成分が増えるわけではないため、鉄分が少なく造血できない場合、血液が薄まった状態になります。
体内の鉄分が少なくなれば鉄欠乏性貧血になる可能性があるため、意識的に鉄分を摂取する必要があります。
妊娠中期以降で特に必要
上述の通り、妊娠中は鉄欠乏性貧血になる可能性があるため、通常時以上の鉄分摂取はかかせません。
特に赤ちゃんが大きく成長する妊娠中期以降になると、妊娠初期より多くの量が必要になります。というのも赤ちゃんが大きくなることで、必要な栄養素も増え、必要な血液量も増えてくるのです。
妊娠中に推奨されている鉄分摂取量
妊娠していない18~49歳の女性(月経なし)の場合、1日に6.5mgの鉄分の摂取が推奨されています。妊娠中は、そこからさらに鉄分が必要とされています。
付加量 | |
---|---|
妊娠初期 | +2.5㎎/日 |
妊娠中期・後期 | +9.5mg/日 |
表の数字を妊娠していないときの推奨量である「6.5mg/日」にプラスします。よって、妊娠初期は1日9mg、妊娠中期・後期は1日16mgの鉄分を摂取しなければなりません。
また、授乳期は妊娠初期と同様に2.5㎎/日をプラスします。そのため、妊娠中から授乳期まで多くの鉄分を必要とします。
参照:厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
妊娠中に鉄分と一緒に摂ると良い栄養素
貧血を防ぐには、鉄分だけではなく、鉄分と一緒に血液を作り出してくれたり、吸収率をアップしてくれたりする栄養素も摂取する必要があります。
ここでは、鉄分と一緒に摂ると良い栄養素をご紹介します。
たんぱく質
たんぱく質は、血液内の赤血球の生成に必要な栄養素です。鉄分と同じく必要な成分でもあります。また、肉などに含まれる動物性たんばくは非ヘム鉄の吸収率を高めます。
ビタミンC
鉄分の中でも非ヘム鉄と呼ばれる成分は、体内で吸収されにくいといわれています。ビタミンCには、その非ヘム鉄の吸収率が高まるといわれています。
そのため、非ヘム鉄を含む食品を摂取する際は、ビタミンCを多く含む食品と一緒に食べるのがおすすめです。
葉酸+ビタミンB12
葉酸やビタミンB12は、赤血球の生成に必要なビタミンです。血液を作るには、こうしたビタミンも必要です。血液の生成を助けるビタミンが不足するとビタミン欠乏性貧血になる可能性があります。
単に鉄分だけを摂取すれば良いというわけではなく、赤血球を作るビタミンも一緒に摂取する必要があります。
妊娠中の鉄分補給におすすめレシピ
ここでは、鉄分補給ができる食べ物とおすすめのレシピをご紹介します。
鉄分を豊富に含む食べ物
ヘム鉄を多く含む食べ物 | 非ヘム鉄を多く含む食べ物 |
---|---|
豚レバー 鶏レバー 牛レバー カツオ いわし 牛肉 鶏肉 豚肉 など |
調整豆乳 納豆 小松菜 春菊 ほうれん草 あさり プルーン レーズン など |
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、違いは体内での吸収率です。
肉類や魚類に含まれるヘム鉄は吸収しやすい鉄分です。一方で野菜などに含まれる非ヘム鉄は、上述でも説明の通り、体内での吸収率が低いといわれています。ビタミンCを含む食品と一緒に摂取して吸収率を上げるようにしましょう。このように食品をうまく組み合わせて鉄分を摂取し、貧血を防ぐことが大切です。
妊娠中の鉄分不足におすすめレシピ
つわりなどで思うように食事が摂れないという場合もあるのではないでしょうか。ここでは、妊娠中でも手軽に作れるレシピをご紹介します。
あさりと小松菜の煮浸し
鉄分豊富なあさりと小松菜を使ったレシピです。あさりは、殻付きではなく水煮缶を使っても問題ありません。
- 【材料】
-
- あさり(水煮)…20g
- 小松菜…100g
- だし汁…1カップ
- しょうゆ…大さじ1
- みりん…大さじ1
- 酒…大さじ1
- 【作り方】
-
- 小松菜はきれいに洗ったら下茹でをする
- あさりは塩水で振り洗いしてぬめりなどを落とす
- 鍋にだし汁をいれてあさりを入れて煮る
- 煮立ったらしょうゆとみりん、酒を加えてさらに沸騰させる
- そこに小松菜を加えればできあがり
殻付きのあさりは、砂抜きをする必要があり、手間がかかります。水煮缶を使えば、下処理にあまり手間がかからないので楽です。茹でてあるものでもしっかりと鉄分が摂れますし、他にもビタミンB12などを含むため、鉄分不足におすすめです。
ほうれん草と卵のスープ
鉄分が豊富なほうれん草とたんぱく質を含む卵を使ったレシピです。
- 【材料】
-
- ほうれん草…1/2袋
- 卵…1個
- 塩…小さじ1/3
- こしょう…少々
- 鶏ガラスープの素…小さじ2
- 水…400cc
- 【作り方】
-
- ほうれん草はよく洗い、3cmの長さに切る
- 卵は割りほぐしておく
- 鍋に水と鶏ガラスープ、塩、こしょうを入れ、火にかける
- 煮立ったら、ほうれん草を加える
- ほうれん草に火が通ったら、卵を回し入れて火が通るまで加熱すれば完成
簡単にできるのはもちろん、スープなので食欲不振でも食べやすいでしょう。さらに鶏肉を加えて、たんぱく質の量を増やすのもおすすめです。
その他、neen recipeでおすすめのレシピはこちら
妊娠中に必要な栄養素が補える「メルミー葉酸サプリ」
妊娠中は鉄分だけではなく、葉酸やビタミン類などの栄養素も必要です。しかし、胃のむかつきや中期以降もつわりがあるという方は、なかなか食事で鉄分を摂取するのが難しいかもしれません。
そこでおすすめなのが、サプリメントによる鉄分摂取です。サプリメントには鉄分だけではなく葉酸やビタミンなど、赤ちゃんの成長やお母さんの健康を守るための栄養素が含まれています。「メルミー葉酸サプリ」も、その1つ。メルミー葉酸サプリは、鉄分が15mg、葉酸が400μg摂取できるサプリメントです。鉄分・葉酸の他にもビタミンB群やビタミンC、マグネシウムなど他の栄養素もたっぷり。配合量は少なすぎても多すぎてもダメなので、管理栄養士が妊娠中に必要な栄養素を細部まで計算して配合しています。無添加なのもうれしいポイントですよね。
妊娠初期から産後の授乳期まで長期間の栄養に対応していますので、鉄分サプリをお探しなら、ぜひ試してみてください。
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まとめ
今回は、妊娠中の鉄分についてご紹介しました。赤ちゃんに栄養を送るため、妊娠すると血液が増量します。そのため、鉄分を意識した食事をしないと鉄欠乏性貧血になる可能性があります。赤ちゃんの成長や健康、お母さんの健康にも影響することがあるため、鉄分は大切な栄養素です。
体調により思うように食事ができず、鉄分摂取が難しい場合は、サプリメントで補いましょう。