妊活・妊娠中に必要な葉酸の働きをサポートする栄養素「ビタミンB群」とは
妊活・妊娠中は、いつも以上にさまざまな栄養素が必要です。中でも葉酸は、食事以外での摂取も推奨されるほど、赤ちゃんの成長に必要な栄養素といわれています。しかし、葉酸だけでは働きにくくなるため、ビタミンB群を一緒に摂取すると安心です。
そこで今回は、葉酸の働きをサポートしてくれるビタミンB群について解説します。
妊活・妊娠中に必要な栄養素「ビタミンB群」
妊活・妊娠中に必要な栄養素として「ビタミンB群」があります。では、ビタミンB群とはどのようなビタミンなのでしょうか。
ビタミンB群とは
ビタミンB群とは、下記の8種類のビタミンを指します。
・ビタミンB1 ・ビタミンB2 ・ビタミンB6 ・ビタミンB12 ・ナイアシン(ビタミンB3) ・パントテン酸(ビタミンB5) ・葉酸(ビタミンB9) ・ビオチン(ビタミンB7) |
ビタミンの複合体とも呼ばれていることから「ビタミンB群」といわれています。
ビタミンB群は、生きるために必要なエネルギーを作るのに必要な栄養素。体内では、なくてはならない存在です。ビタミンB群は単体で摂取するよりもまとめて摂取することで体の機能をサポートしてくれます。
ビタミンB群は体内に貯蔵されにくいため定期的な摂取が必要
ビタミンは主に2種類あり、油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」と水に溶け水と一緒に移動する「水溶性ビタミン」に分けられます。ビタミンB群は、水溶性ビタミンです。ビタミンB群は、互いに助け合って働く性質があるため、バランスよく摂取しなければなりません。また、水溶性ビタミンは水に溶けやすいことから体内に貯蔵されにくいため、定期的に摂取する必要があります。
葉酸を含む栄養素「ビタミンB群」の働き
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質の分解をサポートしてくれるビタミンです。糖を分解し、エネルギーに変える際に必要になるビタミンなので、糖質を多く摂取した場合は特に必要なビタミンになります。また、脳や神経の働きなどに関与しているため、不足すると神経炎や脳組織への障害などが起こる可能性があります。
ビタミンB1の1日の推奨量 | 1.1mg(18~49歳女性)、妊娠・授乳期の場合は+0.2mg |
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ビタミンB1が不足すると起こる症状 | 神経炎、脳組織への障害、欠乏症になると脚気などの症状が現れる |
ビタミンB1を多く含む食品 | 豚肉、穀類、枝豆など |
ビタミンB2
ビタミンB2は糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変える際にサポートしてくれるビタミンです。特に脂質の代謝にかかせないといわれています。他にも、爪や肌などの健康を維持したり成長を促したりする働きがあるとされています。発育のビタミンともいわれ、子どもの成長にはかかせないビタミンでもあります。
ビタミンB2の1日の推奨量 | 1.2mg(18~49歳女性)、妊娠期は+0.3mg、授乳期は+0.6mg |
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ビタミンB2が不足すると起こる症状 | 口内炎、粘膜の炎症、子どもの成長障害など |
ビタミンB2を多く含む食品 | レバー、うなぎ、卵、納豆など |
ビタミンB6
ビタミンB6は、体内の酵素の働きを助け、アミノ酸の分解・吸収を促す働きがあります。たんぱく質はアミノ酸で構成されているため、たんぱく質を多く摂取するなら必要なビタミンです。また、免疫機能の正常な働きをキープしたり、赤血球のヘモグロビンを合成したりといった働きをします。
ビタミンB6の1日の推奨量 | 1.1mg(18~49歳女性)、妊娠期は+0.2mg、授乳期は+0.3mg |
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ビタミンB6の1日の耐容上限量 | 45mg(18~49歳女性) |
ビタミンB6が不足すると起こる症状 | 成人の場合、うつ状態や錯乱、脳波異常などが起こる |
ビタミンB6を多く含む食品 | 赤みの魚、レバー、肉など |
ビタミンB12
ビタミンB12は、血液を作るために必要なビタミンです。ビタミンB12が不足すると、赤血球の外側を形成する材料がなくなり造血ができないため、貧血になります。他にも、体内の酵素の働きを助けたり、アミノ酸・核酸・葉酸の代謝にもかかわっているビタミンです。
ビタミンB12の1日の推奨量 | 2.4μg(18~49歳女性)、妊娠期は+0.4g、授乳期は+0.8g |
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ビタミンB12が不足すると起こる症状 | 巨赤芽球性貧血、末梢神経障害などが起こる |
ビタミンB12を多く含む食品 | レバー、しじみなど |
ナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシンは、脂質やたんぱく質をエネルギーに変換する働きのあるビタミンです。皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあるともいわれています。過剰摂取することで、血管拡張や、下痢・嘔吐などの消化管の疾患を起こす可能性があります。
ナイアシンの1日の推奨量 | 11mgNE(18~29歳女性)、12mgNE(30~49歳女性)、授乳期は+3mgNE |
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ナイアシンの1日の耐容上限量 | 250mgNE(18~49歳女性) |
ナイアシンが不足すると起こる症状 | 皮膚炎、下痢、精神神経症状などを引き起こすペラグラの症状が起こる |
ナイアシンを多く含む食品 | 鶏むね肉、たらこなど |
パントテン酸(ビタミンB5)
パントテン酸は、脂質・糖質・たんぱく質の代謝に役立つといわれています。また、ナイアシン同様に、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。副腎皮質ホルモンの合成に関わっています。副腎皮質ホルモンはストレスをやわらげるとして、抗ストレスホルモンとも呼ばれています。至るところに存在する酸として名付けられました。そのため、さまざまな食品に含まれていて、通常の食事をしているなら不足することはありません。
パントテン酸の1日の推奨量 | 5mg(18~49歳女性) |
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パントテン酸が不足すると起こる症状 | 成長停止、手足のしびれと灼熱感、頭痛などが起こる |
パントテン酸を多く含む食品 | 鶏胸肉、カツオ、たらこなど |
葉酸(ビタミンB9)
葉酸は、ビタミンB12と同様に血液を作るビタミンです。葉酸は、DNAやアミノ酸の合成に関わっています。ビタミンB12が不足すると貧血症状が起こります。
厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、各年代おおむね推定平均必要量以上の葉酸を摂取していることがわかっています。ただし、推奨量よりもやや低い傾向にあるため、普段の食事で少し葉酸摂取を意識すると良いでしょう。
特に妊娠中の場合、葉酸の摂取が必要とされています。というのも、葉酸を積極的に摂取することで、胎児の神経管閉鎖障がいのリスクなどが低くなることがわかっているからです。
妊娠初期は最も葉酸が必要とされていて、妊活中からサプリメントなど食品以外での摂取も推奨されています。
葉酸の1日の推奨量 | 240mg(18~49歳女性)、妊娠期は+240mg、授乳期は+100mg ※妊活中や妊娠初期の場合は食品以外から400μg/日の葉酸が必要 |
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葉酸の1日の耐容上限量 | 900mg(18~29歳女性)、1000mg(30~49歳女性) |
葉酸が不足すると起こる症状 | 巨赤芽球性貧血 |
葉酸を多く含む食品 | 鶏レバー、モロヘイヤ、ほうれん草など |
ビオチン(ビタミンB7)
ビオチンは、糖質や脂質、アミノ酸からエネルギーを作る際にサポートしてくれるビタミンです。腸内細菌によって合成されますが、それだけでは足りないため、食事で補う必要があります。皮膚の健康をサポートしてくれる働きもあり、不足すると皮膚炎などが起こりやすくなります。
ビオチンの1日の摂取量 | 50μg(18~49歳女性) |
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ビオチンが不足すると起こる症状 | 皮膚炎、食欲不振、むかつき、吐き気、憂うつ感などの症状が出る |
ビオチンを多く含む食品 | レバー、卵黄、大豆など |
葉酸・ビタミンB群のおすすめの取り方
妊活中・妊娠中の方は葉酸が必要だといわれることが多いでしょう。もちろん、葉酸も必要ですが、葉酸だけでは働きにくくなってしまいます。体内で活性化するためには他のビタミンB群が必要です。葉酸を体内で活性化するためには他のビタミンB群も摂取するようにしましょう。ビタミンB群をバランスよく摂取するなら、サプリメントの服用もおすすめです。
特に、妊活中や妊娠中、授乳中の方は葉酸が必要になるため、食事以外でも摂取することを心がけましょう。
妊活・妊娠中の葉酸摂取をサポートするサプリメント「メルミー葉酸サプリ」
メルミー葉酸サプリは、葉酸だけではなく鉄分やマグネシウムなどのミネラル成分の他に、ビタミンB群を含んでいます。妊娠初期から産後の授乳期までの長期栄養に対応。妊娠初期から授乳期にかけて必要な栄養素を細部まで計算して、サプリメントを配合しています。安全にもこだわり、無添加で妊娠中に摂取すべきではない成分については排除しています。妊活中・妊娠中・授乳中の方は、ぜひ栄養補給としてメルミーをご利用ください。
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まとめ
今回は、葉酸の働きを助けるビタミンB群についてご紹介しました。
葉酸は赤ちゃんの成長をサポートしてくれるビタミンです。しかし、葉酸だけでは働きにくくなるため、他のビタミンB群の摂取も必要になります。サプリメントで葉酸を補う場合は、他のビタミンB群が含まれているかどうかも確認しましょう。